この記事でわかること
「QuickBooksに銀行口座をつないだけれど、取引が途中から取り込まれなくなった」
「複数の口座やクレジットカードがあって、どう整理すればいいのかわからない」
こうしたお悩みを持つ方は少なくないと思います。QuickBooks(クイックブックス)の銀行口座連携は、最初の接続さえ正しく設定できれば、日々の取引が自動で取り込まれて経理の手間が大きく減ります。しかし、銀行口座との連携は、近年の金融機関側のコンプライアンス強化により年々複雑になってきていると感じています。
この記事では、Mercury・Chase・Bank of Americaなど主要銀行の接続手順から、フィードが切れたときの再接続、複数口座の管理方法までをわかりやすく解説していきます。
この記事の目次
1. 銀行口座をQuickBooksに接続する手順
この章では、Mercury・Chase・Bank of Americaなどの日系の方がよく使う銀行をQuickBooksにつなぐ手順を解説します。基本の流れはどの銀行も共通で、銀行の選択・ログイン情報の入力・口座の紐付けという3ステップに分かれます。
結論からいえば、QuickBooksの銀行連携は、QuickBooksの画面に表示される指示に沿って進めれば10分ほどで完了します。手順は次のとおりです。
- STEP 1: 銀行を検索する:左メニューの「Transactions(取引)」から「Bank transactions」を開き、「Connect account」をクリックして銀行名を検索します。
- STEP 2: ログイン情報を入力する:銀行のオンラインバンキングと同じユーザー名・パスワードを入力します。多くの場合、本人確認のためのコード入力(2段階認証)も求められます。
- STEP 3: 口座を紐付ける:取り込みたい口座を選び、QuickBooks内の勘定科目(Checking・Savings・Credit Cardなど)に対応させます。
紐付けが完了すると、過去90日ほどの取引が自動で取り込まれます。取り込み期間は銀行によって異なるため、開業初月の取引が一部入らない場合には、CSVで手動アップロードする方法も覚えておくと安心です。
Mercury(マーキュリー)の接続について
Mercuryは、スタートアップや小規模法人に人気のオンライン銀行です。Mercury QuickBooksの連携は安定しており、API接続でリアルタイムに近い取り込みができます。
実務で見ていると、Mercuryは接続後のフィード切れが比較的少ない印象です。Mercury側がQuickBooksとの連携を公式にサポートしており、認証方式が安定しているからだと思います。なお、Mercury側の管理画面からも連携設定ができるため、QuickBooksでうまく検索できない場合はMercury側から接続を試すと良いかと思います。
Chase・Bank of Americaの接続について
ChaseとBank of America(BoA)は、米国を代表する大手銀行です。利用者が非常に多く、QuickBooksとの連携実績も豊富です。
ただし近年では、大手銀行ほどセキュリティ強化のために認証方式が頻繁に変わる傾向があります。具体的には、ログイン後にChase側のサイトへ一度飛ばされ、「QuickBooksとの連携を許可しますか」という承認画面が出るケースが増えています。この承認を忘れると取引が取り込まれないため、画面の指示に従って必ず承認まで完了させることをおすすめします。
2. 銀行フィードが切れたときの再接続
この章では、過去に繋いだ銀行フィードが切れる原因と、自分で再接続する方法を解説します。フィードが止まったままだと取引が漏れてしまうため、早めの対処が大切になります。
2.1. フィードが切れるよくある原因
銀行フィードが切れる原因は、そのほとんどが認証情報の変更です。具体的には次のようなタイミングで切れやすくなります。
- 銀行のパスワードを変更した:QuickBooks側に古いパスワードが残り、ログインに失敗します。
- 2段階認証の設定を変えた:認証方式が変わると、自動取得が止まることがあります。
- 銀行側のメンテナンス・仕様変更:大手銀行の認証方式変更で一時的に切れる場合があります。
- 一定期間ログインしていない:セキュリティ上、再認証を求められることがあります。
このように、フィードが切れるのは設定ミスではなくセキュリティ上の正常な動作であることが多いです。あわてず再接続すれば、取引が再び取り込まれます。
2.2. 自分で再接続する方法
再接続の手順はシンプルです。次の流れで進めると良いかと思います。
- STEP 1: エラー表示を確認する:「Bank transactions」画面で、該当口座にエラーマークが出ていないか確認します。
- STEP 2: 「Update」または「Reconnect」を押す:口座カードのメニューから更新・再接続を選びます。
- STEP 3: 最新のログイン情報を入力する:変更後のパスワードや認証コードを入力し直します。
再接続しても取り込まれない期間が出た場合は、その分だけCSVファイルで手動アップロードすると抜け漏れを防ぐことができます。取引の二重取り込みを避けるため、再接続後は日付の重複がないか必ず確認することをおすすめします。
3. 複数口座・クレジットカードの管理方法
この章では、複数の事業口座やクレジットカードをQuickBooksで効率よく管理する方法を解説します。口座が増えるほど整理のコツが重要になります。ポイントは以下の3つです。
- 口座ごとに勘定科目を分ける
- クレジットカードも忘れずに連携する
- ルール設定で自動仕訳を効率化する
3.1. 口座ごとに勘定科目を分ける
複数の口座を扱う場合、結論からいえば、口座ごとに勘定科目を分けて登録するのが基本です。なぜなら、口座ごとに残高を把握できると銀行残高との照合(Bank Reconciliation)がしやすくなるからです。
たとえば、運転資金用のChecking、税金積立用のSavings、経費決済用のCredit Cardを別々の勘定科目にしておくと、どの口座にいくら残っているかが一目でわかります。
3.2. クレジットカードも忘れずに連携する
事業用クレジットカードも、銀行口座と同じ手順でQuickBooksに連携できます。カードの利用明細が自動で取り込まれるため、経費の入力漏れを防げます。
実務で多いのは、カードの支払い(銀行口座からの引き落とし)を経費として二重計上してしまうミスです。カード利用時に経費を計上し、引き落とし時は計上した費用とマッチさせる形で(QuickBooks内のMatch機能)処理すると二重計上を防ぐことができます。
3.3. ルール設定で自動仕訳を効率化する
取引数が多い場合は、Bank Rules(仕訳ルール)の活用がおすすめです。「特定の取引先からの入金はこの売上科目に」というルールを作っておくと、似た取引が自動で分類されます。
たとえば、毎月の家賃支払いやサブスク料金など、同じパターンの取引をルール化することで、仕訳計上前に人間が確認するだけで済むようになります。複数口座を運用する事業者ほど、この機能で大きく手間を減らすことが可能です。
4. 事業用と個人用の口座を分けていない場合の対応
この章は、事業用と個人用の口座を分けていない方にこそ読んでいただきたい内容です。経理の正確性に直結する重要なポイントだからです。
結論からいえば、事業用口座は個人用と必ず分けることを強くおすすめします。なぜなら、口座が混ざっているとQuickBooksに個人の支出まで取り込まれてしまい、経費の仕分けに膨大な時間がかかるからです。
開業初期に口座を分けずに進め、後から数百件の取引を一つずつ「事業か個人か」で振り分ける羽目になるケースは少なくありません。最初に専用の事業用口座を開設しておくだけで、こうした手戻りを防ぐことができます。
すでに混ざってしまっている場合は、まず事業用口座を新たに開設し、今後の取引はそこに集約していくと良いかと思います。法人(Corporation・LLC)の場合は、口座が混在していると有限責任の保護が弱まるリスクもあるため、必ず口座を分けておくことをおすすめします。
当サイトの見解
当サイトの見解としては、取引量が増えてきたら、なるべく早い段階で全口座・全カードをQuickBooksに連携することをおすすめしています。実務でよく見るのは、「メイン口座だけ連携して、サブ口座は後回し」というケースです。ところが決算期になって、連携していない口座の取引をまとめて手入力することになり、その場合は余分に時間がかかってしまいます。
また、Mercuryのようなオンライン銀行はフィードが安定している一方、大手銀行は認証方式の変更で切れやすい傾向があります。月に一度は各口座のフィードが正常に動いているか確認する習慣をつけておくと、取引漏れを未然に防げるかと思います。
まとめ
この記事では、Mercury・Chase・Bank of Americaなど主要銀行の接続手順から、フィードが切れたときの再接続、複数口座の管理方法まで解説してきました。
以下に、この記事のポイントを整理しておきます。
※ 取込期間は銀行により異なります。開業初月などの抜けはCSVで手動アップロードして補完してください。
この記事が、アメリカでQuickBooksを使って経理を効率化したい日本人・日系企業の方の助けになれば幸いです。