「QuickBooksのFor Review欄に数百件も取引が溜まってしまった…」
「未分類の取引を1件ずつ確認していたら、いつまで経っても終わらない…」
こうしたお悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。この記事では、QuickBooksに溜まった取引を並べ替え→一括選択→ルール化の順で一気に片付ける手順をご紹介します。1件ずつ処理するのではなく、似た取引をまとめて処理する流れを作ると数百件でも短時間で整理することが可能です。年度末や決算期末にかけて帳簿の処理が溜まってしまった方向けに、実践的な手順を解説します。読み終えていただければ、ご自身で効率よく整理を進める道筋が見えてくるかと思います。
この記事の目次
1. なぜFor Reviewは溜まるのか
結論からいえば、その原因の多くは「1件ずつ処理しようとして手が止まる」ことにあります。だからこそ、まとめて処理する発想が大切になります。この記事ではこの効率的な処理方法をご紹介していきます。
2. For Review 整理を1時間で終わらせる3ステップ
ここがこの記事の核心部分になります。作業は大きく3ステップに分かれます。先に全体像を一覧で示します。
- ステップ1:並べ替え(同じ取引をまとめて見える状態にする)
- ステップ2:一括選択(同じ内容の取引をまとめて確定する)
- ステップ3:ルール化(次回から自動で分類されるよう設定する)
この順番で進めることが重要です。先に並べ替えて似た取引を固めておくと、一括選択がしやすくなるからです。以下、それぞれ詳しく解説していきます。
ステップ1:For Reviewを並べ替えてグループ化する
まず、画面左メニューの「Transactions(取引)」から「Bank transactions(銀行取引)」を開き、「For Review」タブを表示します。
並べ替えの目的は、同じ取引先・同じ金額の取引を画面上で隣同士に並べることです。具体的には、列のヘッダーをクリックして「Description(摘要)」や「Payee(取引先)」で並べ替えます。
たとえばスターバックスでの支払いが20件あったとします。並べ替え前はバラバラに散らばっていますが、Description順に並べると20件がまとまって表示されます。こうすると、次のステップで一気に選択できます。
ステップ2:一括選択でまとめて確定する
並べ替えで同じ取引がまとまったら、次は一括選択です。端的にいえば、チェックボックスで複数取引を選び、まとめて勘定科目を割り当てて確定する作業になります。
手順は次のとおりです。
- 各取引の左にあるチェックボックスにチェックを入れる
- 同じ勘定科目になる取引をまとめて選択する
- 画面上部に表示される一括操作バーから勘定科目(Category)を指定する
- 「Accept(承認)」または「Add(追加)」をクリックして確定する
たとえば先ほどのスターバックス20件なら、すべてにチェックを入れたのち勘定科目を「Meals(会議費・飲食費)」に設定し、一括で確定できます。1件ずつなら数分かかる作業が数十秒で終わります。
ここでひとつ注意点があります。勘定科目が本当に同じかどうかは、一括確定する前に必ず目視で確認することをおすすめします。金額が大きい取引や普段と違う取引先が混ざっていないか、ざっとチェックしてから確定すると安心です。
ステップ3:Bank Rule(ルール)で自動分類する
最後のステップが、今後に効いてくるルール化です。Bank Rule(バンクルール)とは、「この取引先の支払いは、この勘定科目に自動で振り分ける」というルールを設定する機能です。
設定手順は次のとおりです。
- 「Bank transactions」画面の「Rules(ルール)」タブを開く
- 「Create rule(ルールを作成)」をクリックする
- 条件(取引先名や金額など)を指定する
- 割り当てる勘定科目(Category)を選ぶ
- 「Save(保存)」で確定する
たとえば「Descriptionに『Starbucks』を含む取引は、すべてMealsに分類する」というルールを作っておきます。すると、次回以降にスターバックスの取引が取り込まれたとき、QuickBooksが自動で勘定科目を割り当ててくれます。
ルールには「自動で確定まで行う(Auto-add)」設定もあります。確実に分類できる取引だけ自動確定に設定すると、For Reviewに表示すらされなくなり、確認の手間が減ります。
3. 分類すべき科目を見分けるチェックポイント
この章では、一括処理する前に確認しておきたい点を整理します。雑にまとめて確定すると後から修正が必要になり、かえって時間がかかるからです。
QuickBooksで未分類の取引を整理する際には、次の3点を確認すると良いかと思います。
- 同じ取引先でも勘定科目が分かれるケースがないか:たとえばAmazonはMeals・事務用品・備品など複数の勘定科目にまたがることがあります
- 個人利用と事業利用が混在していないか:事業用カードに個人の支払いが混じっている場合は、Owner’s Draw(事業主貸)として処理します
- 重複した取引が取り込まれていないか:同じ取引が二重に入っていると、収益や経費が過大に計上されてしまいます
当サイトの見解として、期末や年度末に帳簿を一気に片付ける場合は金額が大きい取引から先に丁寧に確認することをおすすめしています。少額の取引は多少の分類ミスがあっても影響は小さいですが、金額の大きい取引の分類ミスは決算数値を大きく歪めるケースが多いためです。会計や税務のルール上はすべての取引を正確に分類する必要がありますが、実務の現場では「優先順位をつけて、影響の大きいものから処理する」という進め方が現実的です。
4. 二度と溜めない仕組みを作る
せっかく整理しても、また溜めてしまってはあまり意味がないです。効率化を実現するには、未分類の取引を溜めないようにする仕組みが重要になります。
結論からいえば、「ルール化」と「定期的な確認」をセットにすることが溜めない仕組みの基本だと思っています。
ステップ3で作ったBank Ruleを活用すれば、よく出てくる取引は自動で分類されます。さらに、週に1回など曜日を決めてFor Reviewを確認する習慣をつけると毎回数件の処理で済むため、負担がほとんどなくなります。たとえば「毎週金曜日の朝に5分だけ確認する」といった形です。1週間分なら多くても数十件なので、並べ替えと一括選択ですぐに終わります。
自動仕訳の仕組みづくりについては、別記事でより詳しく解説しています。ルールの設計や自動化の考え方について参考にしていただければ幸いです。
まとめ
この記事では、QuickBooksのFor Reviewに溜まった未分類取引を、並べ替え→一括選択→ルール化の順で効率よく整理する方法について解説してきました。
以下に、この記事のポイントを整理しておきます。
この記事が、アメリカでQuickBooksを使った経理処理に取り組む方の助けになれば幸いです。