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Registered Agent (レジスタード・エージェント) とは?代表的な会社と選び方・注意点を米国公認会計士が解説

2026.02.21
2. 米国ビジネスの基礎知識
監修者

ワシントン州の米国公認会計士です。アメリカの日系会計事務所にて、個人事業主から上場企業までアメリカ進出企業のバックオフィス業務を幅広くご支援しています。会計・税務を軸に、アメリカ進出や会社設立のサポート、給与計算などの人事関連業務もカバーしています。

「Registered Agentとは何なのか?」
「Registered Agentはどのように選べばよいのか?」

こうした疑問を持つ方は少なくないと思います。日本にはRegistered Agentに相当する制度が存在しないため、アメリカでの会社設立において戸惑われる方も多い印象です。

アメリカではほぼすべての州でRegistered Agentの指定が義務付けられており、法人設立・維持の要件となっています。

Registered Agent (レジスタード・エージェント) は、端的に言えば州政府や裁判所から送付される公的書類を受け取るための公式窓口です。訴状の送達や年次報告(Annual Registration)の通知など、会社のコンプライアンスに直結する重要な書類を受領する役割を担います。そのため、「とりあえず安いところ(Registered Agent 会社)でOK」という単純な問題でもなく、自社の事業規模や将来計画を踏まえた選択をおすすめしています。

本記事では、Registered Agentの基本的な役割と法的な位置づけを整理したうえで、代表的なRegistered Agent 会社の特徴と選ぶ際の比較ポイントについてわかりやすく解説していきます。

1. Registered Agent(レジスタード・エージェント)とは?

Registered Agent (レジスタード・エージェント) とは、州政府や裁判所から会社に対して送付される通知書類を受け取るために登記州内に指定される「法定代理人」です。彼らのメインの役割は訴訟関連書類や州からの公式通知の「受け取り」で、ほとんどの州でその選定が義務付けられています。例えば、会社が訴訟の対象となった場合、裁判所はまずRegistered Agentに対して訴状を送ります。その後、その訴状はRegistered Agentを介して会社側に通知されることになります。年次報告書(Annual Registration / Annual Report)の提出通知や州税に関する連絡も多くの場合、Registered Agent経由で会社に送付されます。つまり、Registered Agentは「州政府等からの公的な通知を(会社を代表して)受け取る窓口」だと理解しておけば問題ありません。

Registered Agentは、実質的にほぼ全ての州において法人設立の要件となっています。たとえ要件に「Registered Agent」の明記がない州においても、実際はRegistered Agentに近い要件を求められることが多いです。なお、会社の設立形態がCorporationであれLLCであれ、登記を行う際には州内に物理的住所を有するRegistered Agentを指定することが求められます。アメリカでよくある私書箱(PO Box)は原則として認められず、実体のある所在地でなければならない点に注意が必要です。

もしRegistered Agentが不在となったり、正しく指定されていなかったりすると、州からのコンプライアンス違反として扱われる可能性があります。その結果、法人登記が抹消されたり、ペナルティが課されたりするリスクがあるため、確実にRegistered Agentを登録しておく必要があります。

2. 自分自身がRegistered Agentになるメリット・デメリット

基本的には第三者のRegistered Agent (レジスタード・エージェント) サービスを利用することが多いですが、自分自身をRegistered Agentに指定することも可能です。一般に、登記州内に物理的住所があり、平日の営業時間中に書類を常時受け取れる体制があれば、代表者自身がRegistered Agentを兼任することも可能となっています。

なお、この場合の最大のメリットはコストを抑えられる点です。具体的には、外部のRegistered Agentサービスにかかる年間数百ドルの費用(相場は $100〜$400/年)を抑えることが可能になります。もしビジネスの規模がまだ小さく、物理的に州内で常時対応できる体制がある場合には、自分自身でRegistered Agentを兼任することでコストを節約できます。

ただし、登録した住所は州の公開情報となってしまう上(Web上で誰でも簡単に閲覧が可能)、住所の移転のたびに変更申請が必要となり、管理も面倒であるなどのデメリットも存在します。そのため、(数百ドル程度の負担であることを考慮すると)第三者のRegistered Agentサービスを利用する方が無難だと思います。

3. 代表的な Registered Agent 会社 6選

Registered Agent (レジスタード・エージェント) の選択肢は、大きく分けて 1) 自社で担うか 2) 外部業者に委託するかの2つになります。前述のとおり、実務上は多くの企業が外部のRegistered Agentサービスを利用しています。このセクションでは、企業の規模やフェーズ別に代表的なサービス会社をご紹介します。

3.1. 大企業向けサービス

CSC Global(Corporation Service Company)

Registered Agent業界の老舗かつ大手の企業です。Fortune 500をはじめとする大企業に多く採用されており、ガバナンスやコンプライアンスの管理プラットフォームも提供しています。利用料金は比較的高めになってしまいますが、最も安心感のある選択肢の一つであるといえます。固定的な価格は(2026年2月時点で)公開されていないのですが、他の大企業向けサービスの相場から推察すると、概ね$300〜$400程度あたりだと考えられます。なお、具体的な見積もりについては下記のサイトから請求することができます。

CT Corporation

ヘルスケア領域や会計・税務領域でソフトウェアを展開するWolters Kluwerグループ傘下の業界大手です。裁判書類の受領(Service of Process)や各州レポートの管理など、Registered Agentサービスと親和性の高い法務関連サービスを提供しています。価格は$436/年(2026年2月時点)となっています。

3.2. 中小規模の企業向けサービス

Northwest Registered Agent

大手向けの2社とは異なり、Registered Agentサービスを主軸とする企業です。それゆえに価格は比較的抑えられていて、サービス内容も明確です。この点、コストと品質のバランスを重視する中小企業に適していると言えます。実際に、価格は$125/年(2026年2月時点)となっていて、全体の相場($100〜$400/年)から見てもリーズナブルな価格設定です。

Harbor Compliance

州ごとのコンプライアンス管理サービスやカスタマーサポート体制を高く評価されており、中小企業や非営利団体(NPO)にも広く利用されています。オンライン管理機能が整備されていて、複数州の対応が必要な中堅規模の企業にも適していると言えます。価格は初年度 $99 / 2年目以降 $149/年(2026年2月時点)となっています。

3.3. オンラインで手軽に会社設立したい企業向け

ZenBusiness

会社設立の支援を主軸とするオンラインサービス(SaaS)で、Registered Agentはそのサービスの一部として提供されています。初めて法人を設立する個人事業主(LLC)やアーリーステージのスタートアップ企業を主なターゲットとしていて、法人の設立手続きと同時にRegistered Agentを整備できる点が便利です。価格は$199/年(2026年2月時点)となっていて、全体の相場($100〜$400/年)の中では比較的リーズナブルなほうです。

LegalZoom

オンライン法務サービスのSaaS企業です。会社設立、契約書テンプレート、商標出願など幅広い法務サービスを提供していて、Registered Agentもその一環で利用可能です。LegalZoomはナスダックの上場企業であるため、(多少のコストをかけてでも)信頼できるサービスを利用したい場合や設立手続きをワンストップで完結させたい企業に向いています。価格は$249/年(2026年2月時点)となっています。

4. Registered Agentの選び方

Registered Agent (レジスタード・エージェント) サービス単体の費用相場としては、全体として年間$100〜$400程度が相場となっています。この中で重要なのは、書類受領後の通知体制で、「スキャン通知が即日行われるか」「オンラインポータルで過去通知の履歴管理ができるか」「州ごとの年次報告(Annual Registration)のリマインダー機能があるか」といった機能の充実度や利便性の観点も重要になります。また、将来的に複数州へ展開する可能性がある場合、全米の州に対応している業者を選んでおいた方が無難です。なぜなら、州ごとに別々の業者を利用すると、更新漏れや通知管理の煩雑化につながりやすいからです。この点、自社の事業規模や将来的な事業計画に適したRegistered Agentサービスを選定することが重要になります。

5. まとめ

本記事では、Registered Agent (レジスタード・エージェント) の基本的な役割と法的な位置づけを整理したうえで、代表的なサービスの特徴と選び方についてご紹介しました。「登記州は自社のオフィスを構えている州なのか」「常時書類を受領できる体制があるのか」「将来的に複数の州へ展開する予定があるのか」といった事情によって、最適な選択肢は変わってくると思います。自社の事業規模や将来計画を踏まえつつ、適切なRegistered Agentを選択することをおすすめします。

この記事が、アメリカでの会社設立を検討される経営者や起業家の方の助けになれば幸いです。

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ワシントン州 米国公認会計士

出身:愛知県 所属会計事務所:日系会計事務所(ニューヨーク・ロサンゼルスにオフィスがございます) 私は、皆様にとって身近に相談できる会計士でありたいと願い、日々業務を行っております。アメリカでの起業やビジネスの運営には、日本では聞き慣れない専門用語も多く、特に会計士や税理士の行う業務は皆様にとってブラックボックスになりやすい分野かと思います。 ご相談をお受けする際には、できるだけ難解な専門用語を使わず、全体像をイメージしながら次のアクションが明確になるような説明を心がけています。皆様の不安や負担を少しでも軽くし、本業に安心して集中していただける体制整備に少しでも貢献できればと思います。 会計士や税理士に相談するのは少しハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのような方には、まずはこのサイトをご覧いただき、私共や会計・税務を少しでも身近に感じていただければ嬉しく思います。

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