「日本企業は、どの国で、どのように海外展開を進めて成功しているのだろうか?」
「実際に成果を上げている企業は、どのようなプロセスや要因を経て成功にたどり着いたのか?」
このような疑問を持っている方も少なくないかと思います。この記事では、JETRO(ジェトロ)の支援事例を中心に、日本企業がどの国へ進出し、どのように市場を開拓し、何が成功の決め手となったのかを12の事例を基にご紹介していきます。取り上げるのは、食品、伝統工芸、製造業、越境ECなど、さまざまな分野で海外市場に挑戦し、成果を上げた日本企業のケースです。
また後半では、100社以上の事例分析を基に「共通して見られる5つの成功要因」をまとめています。その「共通する5つの成功要因」は以下のとおりです。
- 海外進出のゴールを明確に定めていること
- 現地・現物を重視し、スピード感を持って判断していること
- 市場を理解し、顧客起点(i.e., マーケットイン)で考えていること
- 信頼できる現地パートナーを確保していること
- 小さく始め、軌道修正を前提に進めていること
この記事を読むことで、成功している日本企業が、どの国で、どのように取り組み、なぜ成果につながっているのかを具体的に理解できるはずです。
- 1.【厳選12選】事例で見る日本企業の海外展開:進出の流れと成功のポイント
- 1.1. 古澤酒造株式会社 | 「山形の日本酒・焼酎をオーストラリア市場へ」
- 1.2. 株式会社つかもと | 「甘納豆でベトナム市場を開拓」
- 1.3. 株式会社磯屋 | 「高品質な海苔をアジアの高所得者層へ」
- 1.4. 株式会社大和 | 「健康食をタイ市場に広める」
- 1.5. 山陽精工株式会社 | 「自社の高温観察技術をアジアへ」
- 1.6. アイメジャー株式会社 | 「大型スキャナ技術を台湾市場へ展開」
- 1.7. 株式会社ユニカル | 「製品力を武器にアメリカ市場へ再挑戦」
- 1.8. 株式会社トキワ工業 | 「自社の強みを活かして台湾市場を開拓」
- 1.9. 有限会社ジャッキーステーキハウス | 「ステーキハウスのアジア展開」
- 1.10. Wazakura Japan株式会社 | 「盆栽用品を欧米へ。”マーケットイン × 越境EC”で育てる自社ブランド」
- 1.11. ポップベリー株式会社 | 「市場ニーズに寄り添う化粧品の海外展開」
- 1.12. 株式会社今田酒造本店 | 「中国の食文化に寄り添った日本酒開発」
- 2. 100社以上の事例分析から見えてきた5つの成功要因
- 3. まとめ
1.【厳選12選】事例で見る日本企業の海外展開:進出の流れと成功のポイント
このセクションでは、日本企業がどの国へ進出し、どのような流れをたどって成功に至ったのかをジェトロの支援事例をもとに整理しています。特に参考にしたのは次の2つの事例集で、いずれもジェトロが企業の海外展開をサポートする中で積み重ねてきた成功事例が紹介されています。
なお、今回ご紹介する12社は以下のとおりです。数多くある成功事例の中から、業種や規模を問わず参考にしやすい企業や事例をピックアップしました。
- 古澤酒造株式会社 | 「山形の日本酒・焼酎をオーストラリア市場へ」
- 株式会社つかもと | 「甘納豆でベトナム市場を開拓」
- 株式会社磯屋 | 「高品質な海苔をアジアの高所得者層へ」
- 株式会社大和 | 「健康食をタイ市場に広める」
- 山陽精工株式会社 | 「自社の高温観察技術をアジアへ」
- アイメジャー株式会社 | 「大型スキャナ技術を台湾市場へ展開」
- 株式会社ユニカル | 「製品力を武器にアメリカ市場へ再挑戦」
- 株式会社トキワ工業 | 「自社の強みを活かして台湾市場を開拓」
- 有限会社ジャッキーステーキハウス | 「ステーキハウスのアジア展開」
- Wazakura Japan株式会社 | 「盆栽用品を欧米へ。”マーケットイン × 越境EC”で育てる自社ブランド」
- ポップベリー株式会社 | 「市場ニーズに寄り添う化粧品の海外展開」
- 株式会社今田酒造本店 | 「中国の食文化に寄り添った日本酒開発」
1.1. 古澤酒造株式会社 | 「山形の日本酒・焼酎をオーストラリア市場へ」

企業の概要と海外進出までの流れ
古澤酒造株式会社は、山形県を拠点とする日本酒・焼酎のメーカーです。同社は、国内市場の縮小や海外で広がる日本食ブームを背景にオーストラリア市場での販路づくりを進めてきました。2021年には、ジェトロの商談会を通じてオーストラリアの大手流通グループと商談を行い、同年の秋に初めての成約を実現しています。その後も海外向けの出荷体制を強化するなど、さらなる販路の広がりを目指して取り組みを続けています。
成功要因
同社が成果を上げた理由は、「オーストラリアの消費者に楽しんでもらう」という海外進出における目標をはっきりと定めていた点にあります。単に商品を海外へ出して終わるのではなく、その先でどのような状態を実現したいのかを見すえたゴールを決めていたことが、「海外進出して終わり」という典型的な失敗を避けることに繋がったと言えます。そして、このように目標が明確だったからこそ、ゴールから逆算した形で一貫性のある進出計画や販売の進め方を組み立てることができたと言えます。
1.2. 株式会社つかもと | 「甘納豆でベトナム市場を開拓」

企業の概要と海外進出までの流れ
創業87年の老舗甘納豆メーカーである同社は、茨城県の特産素材と伝統的な製法を生かした商品づくりを強みとしており、これまでに数多くの賞を受賞してきました。主な事業はOEM生産で、売上は国内向けが中心でしたが、人口の減少による将来の市場の縮小を見据えて海外展開を検討してきました。現在はベトナム市場を中心に、東南アジアでの認知の広がりと輸出による売上の拡大を目指しています。
成功要因
同社の成功のポイントは、既存の商品をそのまま海外へ出すのではなく、現地のニーズにきめ細かく向き合い、味や製造の工程などを見直すことで新たな需要を生み出した点にあります。専門家による第三者の視点を柔軟に取り入れながら、現地の消費者が何を求めているのかへの理解を深め、「ベトナムの消費者が本当に求める甘納豆」へと商品を最適化できたことが現地の消費者に広く受け入れられた大きな理由となりました。
1.3. 株式会社磯屋 | 「高品質な海苔をアジアの高所得者層へ」

企業の概要と海外進出までの流れ
同社は、冠婚葬祭向けの海苔製品を主力とする老舗企業です。2017年以降は事業の多角化を進め、小売向けの商品開発や飲食事業の買収など、新しい分野にも挑戦してきました。一方で、国内では家族葬の広がりにより冠婚葬祭に関する需要が縮小し、売上が大きく落ち込んだという経緯があります。こうした状況をきっかけに、同社は海外への販路を広げる判断を下しました。
成功要因
同社が成果を上げた理由は、環境の変化を受けて自社の強みをあらためて見直し、他社の商品と差をつけられる市場を戦略的に選び取った点にあります。安価な海外製品が多く出回っているアジア圏での価格競争を避けるため、日本から地理的に遠い国や地域の「高所得者層」に向けて高品質な自社製品を提案する戦略をとりました。そしてこの判断が、独自の立ち位置を築く結果につながったと言えます。
1.4. 株式会社大和 | 「健康食をタイ市場に広める」

企業の概要と海外進出までの流れ
同社は、日本全国のシニア施設や個人宅に向けて、健康食や介護食・医療食を提供している食品メーカーです。家庭の味を大切にした手作りならではの品質を強みとしています。国内で積み上げてきた高齢者向けの食に関するノウハウを海外でも生かせるのではないかと考え、とくに高齢化が急速に進んでいるタイ市場に注目しました。特に、タイでは健康的で衛生的な食事へのニーズが高まっていることから、海外展開の最初のターゲットとして選ばれました。
成功要因
同社の成功のポイントは、タイ進出にあたってはっきりとした目標とビジョンを持っていた点にあります。それに加えて、タイ市場に詳しい人材を早い段階で採用し、会社の登記、物件の契約、スタッフの採用、SNSの活用、現地企業とのタイアップといった実務をスピード感をもって進めていった点も成功要因の一つとなっています。「健康食をタイ市場に広める」というぶれない姿勢が、一貫した判断とすばやい実行につながったと言えます。
1.5. 山陽精工株式会社 | 「自社の高温観察技術をアジアへ」

企業の概要と海外進出までの流れ
同社は長年にわたり、高温を観察する技術の研究開発に力を入れてきた企業です。日本国内では、これまでの実績や高品質で高精度な映像を取得できる点が評価され、実装分野を中心に高い信頼を得てきました。一方で、国内市場が成熟し成長がゆるやかになる中で、次の成長分野として電子・半導体産業が大きく集まる中国や台湾の市場に目を向け、本格的な海外展開を進めています。
成功要因
同社が成果を上げている理由は、成果の上がらない原因を一つひとつ見極め、そのつど対応のしかたを柔軟に変えてきた点にあります。国内の商社を通じた輸出や現地企業との代理店契約においては十分な成果を上げることが出来ませんでしたが、その背景に言葉の壁があり、顧客のニーズを正しくつかめていない点に着目しました。そこで、現地の言葉が分かる社員を採用し、現地の声を直接聞ける体制を整えました。その結果として、顧客への理解が深まり、商談もよりスムーズに進むようになっています。こうした取り組みの積み重ねが、海外展開を前に進める結果につながったと言えます。
1.6. アイメジャー株式会社 | 「大型スキャナ技術を台湾市場へ展開」

企業の概要と海外進出までの流れ
同社は、大型スキャナの製造・販売を行う企業です。高精度かつ特殊な用途に向けたニッチな市場に対応できる技術を強みとしており、国内では高い評価を得てきました。近年は国内市場の広がりに限界があることを見据え、海外展開にも力を入れています。特に、「出張スキャンサービスに対応できる」という独自の強みは台湾市場において差別化のポイントとなっています。
成功要因
同社が成果を上げた理由は、「餅は餅屋」という言葉が示すとおり、専門家の知見と現地のネットワークを最大限に活用した点にあります。自社だけで市場を切り開くことが難しいなか、台湾市場をよく知る専門家の助言とネットワークを活用することで、約半年という短期間で成約につなげました。
1.7. 株式会社ユニカル | 「製品力を武器にアメリカ市場へ再挑戦」

企業の概要と海外進出までの流れ
同社は、入れ替えが不要で、廃液をほとんど出さない「洗浄剤の半永久化」を実現した化学メーカーです。その高い製品力を強みに、これまでアジア市場で大きな成果を上げてきました。近年はさらなる事業の広がりを目指し、米国やメキシコといった大きな市場への進出を進めています。
成功要因
同社が成果につなげることができた理由は、過去に2度の失敗を経験する中で、海外展開の課題を明確にし、その改善を踏まえて3度目の挑戦に取り組んだ点にあります。これまで自社だけで2度の米国進出を試みたものの、市場に関する知識や商習慣、言葉の違いといった壁があり、十分な顧客との接点をつくることが出来ませんでした。しかし3度目の挑戦では、過去の失敗をふまえ、専門家のアドバイスを受けながら「展示会」という場を活用して顧客と直接話ができる機会をつくりました。その結果として、有望な顧客との出会いを得ることができ、米国市場での事業の広がりにつながる実績を着実に積み上げていくことが出来ました。
1.8. 株式会社トキワ工業 | 「自社の強みを活かして台湾市場を開拓」

企業の概要と海外進出までの流れ
同社は、約40年にわたりお茶パックやコーヒーフィルターの製造・販売を行ってきた老舗のメーカーです。これまで国内市場で支持を得てきましたが、人口の減少やデフレなどの影響により国内での需要が次第に縮小していきました。そこで、新たな販路を求め、台湾への海外展開を検討し始めました。
成功要因
同社が成果を上げた理由は、「メイドインジャパン」の品質と自社製品ならではの強みを生かし、直接輸出に取り組んだ点にあります。台湾市場に向けて自社で輸出と販売を行ったことで、製品に対する高い評価を得ると同時に、着実に販売実績を積み上げることができました。またこの取り組みを通じて、日本と台湾の市場のちがいや国内の事業環境についての理解を深めることが出来ました。こうして得られた知見を今後の海外展開に生かせるようになった点も、成功を支える重要な要因となっています。
1.9. 有限会社ジャッキーステーキハウス | 「ステーキハウスのアジア展開」

企業の概要と海外進出までの流れ
同社は、沖縄発のステーキハウスとしてアジアを中心に海外展開を行っています。コロナ禍においても、オンラインでの商談やSNSの活用などさまざまな手段を使いながら販路の拡大を進めてきました。商品の味は海外でも高く評価されており、ベトナムの現地スタッフが増えるなど、グローバルな展開に向けた社内の体制も少しずつ整ってきています。
成功要因
同社が成果を上げてきた理由は、海外事業を進める中で状況をよく見極め、必要に応じて柔軟に方向を見直してきた点にあります。ベトナムへの進出を始めた当初は価格の面で課題に直面し、思うような成果を出せなかった時期もありました。そのような中で同社はベトナムだけにこだわらず、他のアジア市場にも目を向けました。その結果、香港など新しい地域からの受注を得ることが出来ています。「自社が売り込みたい地域」と「実際に商品が売れる地域は必ずしも同じではない」という経験を踏まえ、その後も方針を見直しながら販路を広げてきたことが、海外での事業の広がりにつながっていると言えます。
1.10. Wazakura Japan株式会社 | 「盆栽用品を欧米へ。”マーケットイン × 越境EC”で育てる自社ブランド」

企業の概要と海外進出までの流れ
Wazakura Japan株式会社は、福岡県を拠点に、盆栽用品や生花道具、お香など100%日本製にこだわった商品を世界に向けて展開しているブランドです。日本の職人技に支えられた高い品質を強みとし、米国や英国をはじめとする海外市場で日本庭園文化の魅力を広めてきました。AmazonやInstagram、YouTubeなどのデジタルチャネルを活用し、自社ブランドの世界観を発信しながらグローバルな顧客の広がりを目指しています。
成功要因
同社が成果を上げている理由は、マーケットインの考え方に立ったブランド戦略と現地の文化や感覚をふまえた、丁寧なローカライゼーションにあります。「市場があるから商品をつくる」という考えのもと、Amazon上で競合商品の価格や市場の規模、レビューの内容を分析し、潜在的な顧客のニーズに合ったブランド設計を行ったうえで販売を進めています。また、越境ECの担当として海外での実務経験を持つ外国人材を採用し、商品ページやブランドページの表現を現地の目線で最適化したことも、海外市場での評価につながっています。短期的な売上だけを追うのではなく、ブランドを育てることを重視し、長い目で見た利益を意識した商品開発とブランド設計に取り組んでいる点が同社の海外展開を支える大きな要因と言えます。
1.11. ポップベリー株式会社 | 「市場ニーズに寄り添う化粧品の海外展開」

企業の概要と海外進出までの流れ
2011年に設立された同社は、国内外の有力な企業と連携しながら化粧品の企画や開発、委託製造を行うファブレスメーカーです。韓国の最新コスメのトレンドを取り入れつつ、独自ブランドの自社開発と輸入販売の2つを柱としてグローバルに事業を広げています。
成功要因
同社が成果を上げてきた理由は、市場のニーズを出発点に商品を考え、取引先と一緒に販促を進めてきた点にあります。常に新しい商品を自社で開発するだけでなく、販促の場面でもバイヤーが何を求めているのかを意識しながら販売に取り組んできました。また、化粧品の輸出には国ごとの規制や表記への対応が欠かせないことから、信頼できる代理店の存在を重視してきました。ジェトロが招待するバイヤーとの出会いを通じ、信頼できる代理店とつながることができた点も大きいと言います。こうした一つひとつの積み重ねが、海外での安定した取引を続けていくことにつながっていると言えます。
1.12. 株式会社今田酒造本店 | 「中国の食文化に寄り添った日本酒開発」

企業の概要と海外進出までの流れ
同社は1868年に創業した老舗の酒蔵で、「百試千改」をモットーに、日本酒づくりに取り組み続けてきました。「富久長」ブランドを中心に高品質な酒づくりを行い、1997年から海外への輸出をスタートしています。現在では、米国、韓国、中国をはじめ約20か国に日本酒を届けています。
成功要因
同社が成果を上げている理由は、現地市場の好みを出発点とした、マーケットインの考え方で商品とプロモーションを組み立てている点にあります。中国市場では競争が激しい中、若い世代の消費者が料理と酒のペアリングを楽しんでいることに着目し、現地のパートナーと連携しながら四川料理のような辛い中華料理に合う日本酒を新たに開発しました。あわせて、飲食店での試飲イベントを重ねながら商品の特性を丁寧に伝え、実店舗での体験から特設EC店舗での購入へとつなげるプロモーションを展開しました。その結果、現地の消費行動に合った形でブランドの認知と販売の機会を広げることに成功しています。
2. 100社以上の事例分析から見えてきた5つの成功要因
海外展開には、「これをやれば必ず成功する」という万能な答えはありません。しかし、100社以上の事例を丁寧に読み解いていくと、企業の規模や業種が違っていても共通して見られる5つの成功ポイントが浮かび上がってきます。以下、それぞれ解説していきます。
2.1. ゴールを明確にする
海外展開に成功している企業ほど、海外進出のゴールやビジョンをはっきりと定めています。目指す姿が決まっていることで、重要な判断の場面でも軸がぶれにくくなり、取り組み全体に一貫性が生まれていると言えます。
2.2. 現地・現物を大事にし、スピード感を持って判断する
成功している企業に共通しているのは、トップや責任者自身が現地に足を運び、現場で得た一次の情報をもとに判断している点にあります。海外展開では状況の変化が早く、判断が遅れることでチャンスを逃しやすい特徴があります。現地を自分の目で見た上ですばやく判断できる体制とトップや責任者の強いコミットメントが、成果を大きく左右していると言えます。
2.3. 市場を理解し、顧客を起点に考える
海外展開に成功した企業は、マーケットインの考え方で市場をとらえ、顧客のニーズから逆算して商品やサービスを作っています。現地の文化や消費の仕方を理解したうえで、自社の商品やサービスの価値を少しずつ調整している点が共通しています。また積極的に直接輸出に取り組むことで、顧客やバイヤーの反応を自社で直接つかむことができています。その結果、市場への理解を深めながら商品や販売方法を柔軟に見直すことができ、競争力の強化にもつながっていると言えます。
2.4. 信頼できる現地パートナーを見つける
海外市場では情報の差が大きく、文化や言葉、商習慣のちがいといった壁も存在します。成功している企業は、信頼できる現地パートナー(たとえば、現地市場にくわしい専門家や販売代理店)を確保し、長い目で協力関係を築くことで事業展開の正確さとスピードを高めています。
2.5. 小さく始め、軌道修正をしながら進める
最初から100%の成果を目指すのではなく、試しながら改善を重ねていく姿勢が成功の大きなポイントと言えます。成功している企業は小さく始めて結果を確認し、そこから学びを得ながら、戦略を柔軟に見直し続けています。特に、「自社が売りたいと考える市場」と、「実際に商品が受け入れられる市場」は必ずしも同じとは限りません。この前提を意識しながら、自社の商品やサービスが本当に売れる地域や顧客層を見極めていく姿勢が、海外での販路の広がりにつながっていると言えます。
3. まとめ
この記事では12社の成功事例をもとに、日本企業がどの国で、どのように市場を開拓し、どのような要因によって成功に至ったのかを整理してきました。取り上げた事例はそれぞれ異なるものの、全体を横断的に見ていくと、成功している企業には次の5つの共通したパターンが見られます。
- 海外進出のゴールを明確に定めていること
- 現地・現物を重視し、スピード感を持って判断していること
- 市場を理解し、顧客起点(i.e., マーケットイン)で考えていること
- 信頼できる現地パートナーを確保していること
- 小さく始め、軌道修正を前提に進めていること
これら5つは、企業の規模や業種、進出先が違っていても一貫して見られる成功のポイントです。海外展開を考える企業にとってまず押さえておきたい基本と言えます。
なお、「海外進出をもう少し具体的に検討してみたい」と感じた方は、以下の記事も参考にしていただければと思います。100社超の海外展開事例をもとに、初めての海外進出で「失敗しない」ために押さえるべき考え方と進め方を5つのステップで解説しています。
この記事が、海外進出を検討される経営者や起業家の方の助けになれば幸いです。