アメリカで仕訳帳は義務ですか?

更新 2026.08.24 米国公認会計士(CPA)が監修

頂いたご質問

アメリカ現地法人の経理を本社から兼務で見ています。設立1期目で、日本のような法定帳簿の様式があるのか、仕訳帳や総勘定元帳を形式どおり作る義務があるのかがわかりません。

当サイトの回答

結論から申し上げると、特定の様式の仕訳帳を作る義務はありません。例えば日本の国税庁にあたる IRS が求めているのは「所得・控除・税額を証明するに足る帳簿と記録を備えること」であり、帳簿の形式は指定されていません(IRC §6001Reg. §1.6001-1)。日本の法定帳簿にあたる様式規定は存在しません。

ただし形式が自由なだけで、内容の要求は決して緩くありません。申告した各数字について、その根拠を取引レベルまで遡って示せる必要がございます。会計ソフトを使っていれば、仕訳帳(Journal)と総勘定元帳(General Ledger)は自動で生成されるので、この要件は自然に満たされるかと思います。例えばQuickBooksであれば、レポート機能からいつでも出力できます。

なお、米国現地法人の立ち上げ初期で実際に問題になるのは、主に次の3点です。①適切な為替換算に基づいて帳簿が作られているか、②日本法人との関連者間取引が第三者間価格の裏付けとともに記録されているか、③本社が立て替えた費用が現地法人の帳簿に正しく計上されているか(またはその逆)。税務調査で指摘を受けるとすれば、ほぼこの領域かと思います。

また、州によっては会社法上、株主・取締役の議事録や株式台帳の備置を求める規定があります。会計帳簿とは別枠になりますので、登記州のルールも確認いただくと良いかと思います。