アメリカで現地法人と支店の違いは何ですか?

更新 2026.09.06 米国公認会計士(CPA)が監修

頂いたご質問

日本の部品メーカーで海外事業を担当しています。アメリカ拠点の設立にあたり現地法人(子会社)と支店のどちらを選択するべきか、経理や税務の面での違いを整理してもらえないでしょうか?

当サイトの回答

現地法人と支店の違いについてですが、最も大きな違いは法人格の有無になります。現地法人は法律上の別会社(米国籍の法人)で、支店は日本の会社そのものがアメリカで外国法人として登録されるイメージを持っていただくと良いかと思います。

詳細なご状況が分かりかねるため、以下は一般的な記載にとどまっておりますこと、ご留意ください。

まず税務面では、現地法人はアメリカで稼いだ所得にのみ課税されます。支店は法的に日本の会社と同一のため、アメリカを源泉とする所得に法人税がかかったうえで、さらにBranch Profits Tax(支店利益税、原則30%)が課される可能性があります。

経理の面では、現地法人は独立した帳簿を持ち、日本本社からは独立して経理されることになります。その際、日本の親会社と米国の子会社間の内部取引は移転価格税制の対象になりますので、ご注意ください。一方の支店は日本本社の帳簿の一部として扱われ、本社と支店の間の内部取引は原則として損益を生まない形になります。この内部取引はいわゆる「本店・支店勘定」を用いて日本本社側で経理されることになります。なお、この場合の内部取引は移転価格税制の対象外となります。

日系企業の場合には、責任の分離やビザ取得の観点から現地法人(C Corporation / LLC 等)を選ぶのが一般的です。特にアメリカは訴訟文化でもありますので、積極的なビジネス活動を行う場合においては、日本本社にも訴訟リスクが及ぶことを避けるのが一般的かと思います(支店ですと、米国の訴訟リスクが日本本社に及ぶ可能性があります)。一方で支店が検討にあがるのは、進出初期の赤字を日本本社の所得と通算したい場合などですが、日本側の外国税額控除との兼ね合いがあるため、選ぶ前に日米双方で税金をシミュレーションされることをおすすめします。