頂いたご質問
日本で産業機械を製造しており、アメリカ向けの販売が伸びてきました。今は日本から直接輸出していますが、現地法人を作るべきか社内で議論になっています。現地法人を作るメリットを教えていただきたいです。
当サイトの回答
アメリカに現地法人を立てる最大のメリットは、日本の親会社に米国での訴訟リスクが及ばなくなる点です。例えば、アメリカで製造物責任や取引上のトラブルが起きても原則として損害は現地法人の出資額までにとどまり(有限責任の場合)、日本の親会社の資産には及びません。産業機械のように訴訟リスクが比較的大きいと思われる業種では、この点はかなり重要なポイントになるかと思います。
また実務面では、現地に法人格があることでアメリカ企業との取引口座が開設しやすくなり、支払条件も比較的有利になることがあります。現地金融機関に銀行口座を持てるため決済が速くなり、為替リスクの管理もしやすくなるメリットもあります。
一方で、支店や駐在員事務所と比べて運営コストがかかる側面もあります。連邦・州への法人税申告や州ごとの年次報告(Annual Registration)、登記州のRegistered Agent登録、そして日本親会社との内部取引には移転価格税制が適用されるなど、バックオフィス的な対応コストは少なからず増加します。
そのため、上記に挙げさせていただいた訴訟リスクと運営コストという主に2軸で判断していただくと良いのかと思います。