この記事でわかること
「個人事業主だけど、QuickBooksのSolopreneurとSimple Startのどっちを選べばいいの?」
「以前あったSelf-Employedが見当たらないけど、後継プランはどれ?」
こうした疑問を持つ方は少なくないと思います。実は、この2つのプランは「対象とする事業の規模」が違うだけで、迷いどころは意外とシンプルです。なぜなら、判断軸は「法人化の予定があるか」「請求書を何枚出すか」「どこまで詳しいレポートが要るか」の3つにほぼ絞れるからです。
この記事では、QuickBooksの Solopreneurプランと Simple Startプランの違いを比較表で整理し、判断フローチャートと後からのアップグレード可否までまとめて解説します。読み終えていただければ、自分の事業にどちらが合うかを自分で判断できるようになるかと思います。
1. SolopreneurとSimple Startの違いを比較表で整理
この章では、まず両プランの位置づけと違いを表で確認します。
結論からいえば、QuickBooks Solopreneur(ソロプレナー)は「法人化しない個人事業主(Schedule C申告者)」向け、Simple Start(シンプルスタート)は「これから成長・法人化していく小規模事業者」向けです。
料金は時期やキャンペーンによって変わります。最新の正確な金額は公式ページで確認することをおすすめします。
1.1. QuickBooks Solopreneur とは
QuickBooks Solopreneurは、フリーランスや一人で事業を営む個人事業主に向けたプランです。確定申告でSchedule C(個人事業の損益を申告する書式)を使う方を想定しています。
たとえば、ライダーシェアのドライバー、コンサルタント、ハンドメイド作家など、従業員を雇わず一人で回している事業に合います。事業用とプライベートの取引を自動で仕分けたり、四半期ごとの予定納税(Estimated Tax)の目安を出したりする機能が中心です。
なお、以前存在したQuickBooks Self-Employedプランは、Solopreneurプランの登場とともに新規受付を終了し、Solopreneurが事実上の後継プランになりました。
1.2. Simple Start とは
Simple Startは、QuickBooks Onlineの入門プランです。複式簿記に基づいた本格的な会計ができます。
たとえば、Balance Sheet(貸借対照表)やProfit and Loss(損益計算書)といった正式な財務諸表を作ることができます。LLCやCorporation(法人)として運営する方、将来は税理士・会計士に帳簿を渡したい方に向いています。
2. 判断フローチャート(法人化・請求書・レポート)
この章では、3つの質問に答えるだけでどちらのプランが適しているかを判断できるようにします。
結論からいえば、1つでも「Simple Start側」に当てはまるなら、最初からSimple Startを選んだほうが後悔が少ないです。
質問1:法人化の予定はあるか
ここが最大の分かれ目になるかと思います。なぜなら、LLCやCorporationになると、複式簿記による正式な帳簿が必要になるからです。
たとえば、今は個人事業でも「1年以内にLLCにしたい」とお考えなら、Simple Startが向いています。Solopreneurは個人事業を前提とした作りのため、法人化後はそのまま使い続けにくいからです。
- 法人化の予定なし → Solopreneur
- 法人化の予定あり・検討中 → Simple Start
質問2:請求書(Invoice)を何枚出すか
請求書の発行が多いほどSimple Start寄りになります。というのも、取引先や入金状況をきちんと管理する場面が増えるためです。
たとえば、毎月数件の請求で済むならSolopreneurの簡易な請求機能でも足ります。一方、複数の取引先に定期的に請求し、未入金(Accounts Receivable)を追いたい場合には、Simple Startの管理機能が便利です。
質問3:詳しいレポートが要るか
特に、Balance Sheet(貸借対照表)が必要かどうかで決まります。Solopreneurは損益の簡易レポートが中心で、Balance Sheet(貸借対照表)は作れないためです。
たとえば、銀行の融資審査で財務諸表を求められる、税理士に帳簿一式を渡したい、という場合にはSimple Startが必要になります。逆に言えば、確定申告でSchedule Cの数字さえつかめればよいという方は Solopreneurプランで事足りるかと思います。
QBO プラン 選び方のまとめ
3つの質問を、もう一度整理します。すべて「Solopreneur側」ならSolopreneur、1つでも「Simple Start側」ならSimple Startプランから始められることをおすすめします。
3. 後からのアップグレードは可能か
この章では、「とりあえず安いほうで始めて、後から上げればいい」という考えが通用するかを確認します。ここを誤解すると、データ移行で手間が増えるためです。
結論からいえば、SolopreneurからSimple Startへの「移行」はできますが、Simple Start以上のプラン間アップグレードほどスムーズではありません。
3.1. Solopreneurからの移行で起きやすいこと
Solopreneurから上位プランへのアップグレードは簡易会計から複式簿記への切り替えが必要になるため、過去データがそのまま完全に引き継がれるとは限りません。
実務では、移行後にBalance Sheetの期首残高(Opening Balance)を入れ直したり、勘定科目を整理し直したりする作業が発生することになります。そうした再セットアップの手間を考えると、最初から複式簿記が要るとわかっているのであれば、Simple Startで始めるほうが結果的に楽なことが多いかと思います。
3.2. Simple Start以上のプランは移行しやすい
一方、Simple StartからEssentials(エッセンシャルズ)やPlus(プラス)への移行は比較的シンプルです。同じQuickBooksの中でプランを上げるだけで、データはそのまま引き継がれます。たとえば、従業員が増えて経費精算(Bill管理)や在庫管理が必要になったら、ボタン一つで上位プランへ切り替えることができます。
当サイトの見解
一般的には「安いプランから始めて、必要になったら上げればいい」と言われがちです。ですが、当サイトとしては少しでも法人化の可能性があるなら、最初からSimple Startプランで始めることをおすすめします。
なぜなら、SolopreneurからSimple Startへの移行時にはデータ整理で時間を取られるケースが多いためです。とくに、年の途中で法人化した場合には簡易会計のデータを複式簿記に組み直す作業が大きな負担になります。
逆に、当面は完全な個人事業で、Schedule Cの確定申告ができれば十分という方には、Solopreneurで十分だと考えています。予定納税の試算機能が使えるため、四半期ごとの納税準備がしやすい点も実務的なメリットです。税務上はどちらを選んでも問題ありませんが、実務では、将来的な法人化を見据えてプランを決めるのが失敗の少ないやり方かと思います。
まとめ
この記事では、QuickBooksの SolopreneurプランとSimple Startプランの違いについて解説してきました。
以下に、この記事のポイントを整理しておきます。
※ 料金は時期・キャンペーンで変動します。最新の金額はIntuit公式ページでご確認ください。
この記事が、アメリカで個人事業や小規模ビジネスを営む方、QuickBooksのプラン選びで迷っている方の助けになれば幸いです。